大嫌いだから、ね? ②(短編)
「ひ、光、くん?」



 久々にみる私にむけられた怖い顔。

 思わず、回れ右して、駆け出して逃げ出したくなる。

 

 なに、なんで、そんなこわい、顔してるの?

 もしかして、もしかして、さっきの話とか、きいちゃったりしてたの?



「・・・」

「あの、光、くん? きゃ!」



 光くんが私の手首を取った。

 容赦のない力で、私をひっぱって、どんどん歩いていく。

 握られた手首が、痛い。

 そのまま、どんどん階段を上っていく。

 

「痛い、はなして」

「いやだね!」



 放課後、校舎の中は人影もまばらで、無人に近い。

 校庭で部活動の片づけをしている生徒の姿が、窓越しに見えた。


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