大嫌いだから、ね? ②(短編)
「おまえ! 陽菜! 逃げるなっていっただろ!」



 案の定、光くんは息も切れないうちに追いついてきて、私の腕をつかんだ。

 私はおもいっきり、その手を振り払った。

 光くんを、精一杯こわい顔して睨みつける。



「そんなのしらないもん! 

 なんで、おいかけてくるの?

 避けてたのは、光くんじゃない!?」



 そう、人のこと振り回しておいて、いきなり、ぷちっと糸を切ったみたいに、避けていたのは光くんだ。

 私じゃないもん。



「う、うるさい。追いかけたのは・・・つい習性で」



 わかっていたけど、どういう習性!?



 光くんは、ぷいっと横を向いた。 



「で、なんのようだよ?」



 ひかるくんは、ふてくされたようにいった。

 私も、負けない。



「よう? ようってなに? 人のこと勝手に追いかけてきたの、光くんでしょ?

 私、知らない!」

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