大嫌いだから、ね? ②(短編)
「ごめん、ほんとうに、ごめん」



 何度も謝る、光くん。

 私は、少しだけ顔をあげて、光くんを見た。

 涙でにじんだ目でみた光くんは、とても真剣な顔をして私をみていた。

 私は、あった視線をそらして、また、顔を隠した。



「顔、あげて、陽菜?」

「いや」



 ぶんぶん、首を振る私。

 光くんは私の二の腕を持って、強い力で私を立たせた。

 

「やだ。顔見ないで。泣いてるし、ぐちゃぐちゃだから」

「そんなことない」



 とても、とても優しくいって、光くんは私の目じりにそっとくちづけた。

 

「まじでかわいい。---陽菜」



 光くんはそのまま、私を引き寄せた。

 すっぽりと優しく、私を抱きしめてくれた。


 





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