大嫌いだから、ね? ②(短編)
 
「光くん? ご飯は? 早く並ばないと、どんどん、メニュー品切れしてきちゃうよ」



 私が聞くと、光くんはあっさりといった。



「もう食べたけど?」

「はい?」

「ちなみに、メニューはカツカレー大盛り。もと女子高なのに、メニューいろいろあってうまいよな」



 それは、共学にするからということで、理事長先生がメニューを一新したからです。

 ・・・じゃなくて、まだ昼休みになってから十五分しかたってないんですけど?

 一年生の校舎からは、学食はずいぶん距離があるんですが・・・。

 ・・・早すぎる。

 やっぱり、光くんは足が速い。だから、逃げても逃げても、いつもいつも私はつかまってしまうんだ。



「ほら、早く食べないと、全部食べる前に、昼休みが終わるぞ」

「あれぇ???」



 その光くんの声に重なるように理佳の声がした。

 手には水ではなくて、紙パックジュースのバナナオレを持っている。


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