無色少女
少女は食事を済ませると
部屋に入っていく
「出掛けたりしないのか?」
「しない」
速答だった
「そうか…警察署に行くんだか……着いてこないか?」
「……貴方って本当に警察なの?」
「あ?馬鹿にしてんのか?」
「違う ただこの時間にこの年代の子はうろうろ出来ないでしょ」
今は朝の10時
つまり学生が勉強に励んでいる時間だ
「あぁ…そっか……」
俺は少女に話しかけるのをやめた
少女はあまりにも寂しげな背中をしていて
そして
自分は独りぼっちだって
言っているようだからだ