純恋〜スミレ〜【完】
「なぁ、ピンクいないとダメか?」
すると、優輝はあたしの胸に抱かれているクマに視線を向けた。
「え……?」
「あの子にあげよう」
「優輝……」
「今度、もっとでかいクマとってやるから」
あたしと同じことを思ってたの……?
見て見ぬふりをして店を出てしまうこともできたのに。
「優輝、ありがとう。あたしも同じこと思ってたんだ」
あたしがそう言うと、優輝は柔らかい笑みを浮かべながら頷いた。