純恋〜スミレ〜【完】
「今からどうする?」
携帯で時間を確認すると、まだ19時前。
もうちょっと……一緒にいたいかも。
そう思っても素直に口に出せないでいるあたし。
だけど、優輝はあたしの心を読み取ったようにこう尋ねた。
「どっか行きたい場所あるか?」
「ん~……、じゃあ、駅前公園に行かない?」
優輝と出会った場所。
そして、達也にののしられた場所。
いまだにちょっとした出来事をキッカケに達也のことを思い出すけど、もう大丈夫。
もう好きじゃない。
ちゃんと吹っ切れた。
だからもう、あの公園は達也にののしられた悲しい場所なんかじゃない。
嫌な思い出は、楽しい思い出に塗り替えてしまえばいい。