純恋〜スミレ〜【完】
「次の方どうぞ~!!お二人様ですね?」
「は~い」
長い列を並ぶこと数十分。
ようやく順番が回ってきた。
専用の浮き輪で蛇行したコースを下る急流スライダー。
二人用の浮き輪の前の部分に乗ったあたし。
ワクワクとした気持ちでその時を待っていると、優輝があたしの首筋のビキニの紐に触れた。
「ん?なに?」
「ちゃんと胸押さえてろよ?水着取れそう」
「なんで?」
「……これ、すっげぇ激しくて水着が取れる女がいるって噂で聞いたことがあるから」
「まさか~」
「いいから押さえてろよ。他の男に絶対見せんなよ」
「大丈夫だって。そんな簡単に取れないから」
あたしがそう答えたと同時にスライダーが動き出す。