純恋〜スミレ〜【完】
「純恋、押さえろよ!!」
優輝の声が聞こえた時、すでに浮き輪は着水していて。
浮き輪から投げ出されてプールの中に沈む体。
慌てて水から顔を出して、顔の水を手で拭う。
「これ、ヤバーい!!化粧落ちた~!!」
あ~もう最悪。顔がびしょ濡れ。
ツケマは……取れてないか。
ていうか、目の下パンダになってるかも。
あ~もう。鏡ってどこにあんの~!?
「……――おい!!」
すると、なぜか険しい表情をした優輝があたしの体をギュッと抱きしめた。