純恋〜スミレ〜【完】
「水着なんてどこで買ったっていいだろ。つーか、お前と喋るためにここにきたんじゃないんだけど」
「ひっど~い。あっ、ねぇ。優輝はあたしの水着と純恋ちゃんの水着どっちがいいと思う?」
「ハァ?お前、何言ってんだよ」
うんざりした表情の優輝。
でも、多分、あたしも同じくらいうんざりした顔してる。
ていうか、その質問はいくらなんでもなしでしょ?
彼女に張り合った自分がバカバカしくなって。
あたしも彼女と同じくらいプライドが高いと思う。
だけど、あたしならあんな質問しない。
あんな意地悪、絶対に言わない。
人を傷付けるようなことを聞くのは違うんじゃない?
「……――へっ?」
すると、優輝はあたしの肩を掴んでグイッと自分の方に引き寄せた。
その拍子で、優輝の肩に頭をぶつける。