純恋〜スミレ〜【完】
「純恋のほうがいいに決まってんだろ」
優輝はキッパリそう言うと、あたしの肩を掴んだまま立ちあがらせた。
「そろそろ出ようぜ。腹減ったし何か食うか?」
「うんっ!!」
優輝なりに気を遣ってくれたんだ。
そう思うと嬉しさでいっぱいになる。
「もう帰っちゃうの?つまんない」
不満そうな表情を浮かべる麗華さん。
「まぁいいや。またね、純恋……ちゃん?」
その目は怒りに燃えているみたい。
麗華さんは別れた今もまだ優輝が好きなのかもしれない。
あたしの中の女の勘が働く。
小さく頭を下げると、あたしは優輝に手を引かれて更衣室に向かった。