純恋〜スミレ〜【完】
重なり合う想い
「ハァ~。お腹いっぱい!!」
プールの近くのお店で食事を済ませて外に出る。
駐車場には優輝の真っ黒いビッグスクーター。
後ろに座ってメットを被る。
達也と付き合ってる時はずっと車移動だったから、バイク移動ってすごく新鮮。
ただ、信じられないくらい暑いのが難点かも。
太陽のジリジリとした熱とアスファルトの照り返しで、クラクラしそうになる。
「うちくるか?」
「行ってもいいの?」
「あぁ」
優輝の家に行くのは今日が初めて。
「危ねぇからちゃんと掴まってろよ」
「……――了解!!」
あたしは大きく頷くと、優輝のお腹にギュッと腕を回した。