純恋〜スミレ〜【完】
カチっていう音の後、煙草の先端がオレンジ色に光る。


優輝は灰皿を持ってスッと立ちあがると、窓を全開にした。


吐き出した煙がフワフワと窓の外に消えていく。


「タバコ吸うと病気になるよ?」


「吸わなくてもなる奴はなる」


「でも、リスクは上がるよ?」


「それは運命だろ」


「あーいえば、こーいうんだから」


ただ優輝の体を心配してるだけなのに。


「煙草の匂いが嫌いなんだろ?」


「え?」


「確かに吸わない奴にはキツイよな」


< 155 / 487 >

この作品をシェア

pagetop