純恋〜スミレ〜【完】
彼氏がキャバ嬢とメールしていたことをあたしに愚痴りにきた叶恋。


それが、いつの間にかあたしと優輝の話になっていて。


叶恋はこの後も、熱弁を続けた。


『あたしのお姉ちゃんを傷付けたら、絶対に許さないし!!』


叶恋の何気なく放ったその言葉にじんわりと胸の中が温かくなる。


あたし、叶恋のお姉ちゃんでよかったよ。


こんなに優しくて温かい妹がいてよかった。


もし、叶恋の彼氏と会う機会があったら、コッソリフォローしておいてあげよう。


『叶恋を大切にしてあげてね』


遠回しにそう伝えよう。





だけど、その数日後。


まさかあんなことが起こるなんて。


この時のあたしはまだ想像もしていなかった……――。




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