純恋〜スミレ〜【完】
――……


『もしもし?』


ブルブルと震える携帯を手に取ると、少しだけ焦っている優輝の声が耳に届いた。


『悪い、ちょっと遅れる。委員会、サボれなくてさ』


『そっかぁ……。どのくらい遅れそう?あたし、どっかで時間つぶしてる』


『あー……、一時間はかかると思う。俺から誘ったのにごめんな』


『ううん、大丈夫。また連絡して?』


『分かった。また後でな』


電話を切ってハァと盛大な溜息をつく。


6限の授業中


優輝から届いた『今日、暇?』ってメール。


二つ返事であたしは優輝と遊ぶことになった。



< 180 / 487 >

この作品をシェア

pagetop