純恋〜スミレ〜【完】
5年前の悪夢
―――………
「……――危ない!!」
そんな叫び声と同時に突き飛ばされる体。
あまりに突然のことに、受け身なんてとれるはずもなくて。
だけどあたしが地面に倒れこむと同時に、見知らぬお兄さんが車に跳ね飛ばされた。
それは本当に一瞬の出来事で。
えっ……?何?一体何が起こったの?
「いたっ……」
こめかみの辺りに痛みが走って手でその部分に触れると、真っ赤な血が指先につく。
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5年前の悪夢