純恋〜スミレ〜【完】
事故……?事故なの……?


誰かが『救急車呼べ!!』とか『ダメだ。意識がない!!』とかそんなことを叫んでる。



「……お兄さん……?」


脱げてしまった靴をそのままに、裸足でお兄さんに近付いていく。


だけど、仰向けに倒れているお兄さんはピクリとも動かない。


頭から流れる血がアスファルトに広がっていく。



「……――兄ちゃん!!兄ちゃん、目を開けてよ!!」


その傍には、お兄さんの弟と思われる男の子がいて。


あたしと同い年くらいの男の子はお兄さんの体を必死に揺する。

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