純恋〜スミレ〜【完】
「今、ノックしないで入ってきたでしょ~?あたしがノックしないで入ると怒るくせに~」
「……あぁ、ごめん」
口調も態度もいつもと同じ叶恋に拍子抜けする。
叶恋はベッドに腰掛けると、その隣をポンポンッと手で叩いた。
「……なに?」
「ちょっと来て~?」
ニコリと笑いながらクイクイッと手招きする叶恋。
首を傾げながらも素直に叶恋の隣に腰を下ろすと、
「……――お姉ちゃん、ごめんね!!」
叶恋はおもむろにあたしの抱きついてきた。