純恋〜スミレ〜【完】
「純恋、ごめん!!あたし、今日補習になっちゃってさぁ~」
放課後になると、ナナは両手をパチンっと合わせて頭を下げた。
「そっか。じゃあ、また今度にしようよ」
「自分から言い出したくせにごめんね~。今度、絶対埋め合わせするから!!」
「そんな気にしないでよ」
『落ち込んでる純恋に、ナナ様が特別に駅前のパフェをおごってあげよう!!』
って、言ってくれたナナ。
でも、赤点補習が重なったなら仕方ない。
気持ちだけもらっておこう。
「補習、頑張って!!」
あたしはヒラヒラと手を振って教室を出ると、一人校門に向かって歩き出した。