純恋〜スミレ〜【完】
「別に大した話じゃないのよ。ちょっと純恋ちゃんに興味があって」


「あたしに……ですか?」


「そう。純恋ちゃんと優輝ってどうやって知り合ったの?」


「どうやってって……――」


そう聞かれてもどこから話せばいいのか分からない。


優輝と初めて出会ったのは、駅前公園の自販機の前。


その後、達也と口論になっているところに優輝が現れて……――。


頭の中で当時を回想するあたし。


だけど、麗華さんが急かす様に尋ねた。


「叶恋ちゃんに紹介された……とか?」


「妹のこと知ってるんですか?」


「同じ学校だからね。それに、叶恋ちゃんって明るくて目立ってるし」


「……へぇ……」


叶恋が前に言っていた。


叶恋の友達の彼氏を麗華さんが寝取ったと。


その話を思い出して、胸の中に広がるモヤモヤ。


麗華さんの狙いは一体何……?


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