純恋〜スミレ〜【完】
「あたしと優輝の話なんて聞いても、面白いことなんて何もありませんよ?」


さっきから終始笑顔の麗華さんに微笑みかける。


『優輝との話をする気はない』


そんなあたしの意思表示を見抜いたのか、麗華さんは手元のコーヒーに視線を落とす。


優輝の元カノである麗華さんがあたしをこんなところまで呼び出した理由は未だに分からない。


だけど、好意を持って誘ったんじゃないことくらいバカなあたしでも分かる。


あたしが麗華さんの立場だったら、今カノなんかと呑気に喫茶店でお茶なんてしたくないし。



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