純恋〜スミレ〜【完】
「あと少しで着くから」


そんな言葉をもう何度聞いたんだろう。


女のあたしの腕にグイグイと胸を押しつけてくる麗華さん。


こうやって優輝にも自慢の胸を押しつけて誘惑したの?


そんな考えが頭に浮かんでは消えていく。



「ほら、あそこ」


すると、麗華さんが突然ピタリと立ち止まってある場所を指差した。


ようやく解放される。


早く優輝に電話をかけ直そう。


そう思った矢先。




「……――えっ?」


あたしは思わず目を見開いて麗華さんに視線を向けた。


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