純恋〜スミレ〜【完】
「優輝のお兄さんね、ここで死んだの」


「優輝の……お兄さん……?」


「そう。優輝、純恋ちゃんに何も話してないのね?」


麗華さんは口の端をクイッと上に持ち上げた。



優輝のお兄さんがここで死んだってどういうこと?


あたしを救ってくれたお兄さん……


あのお兄さんが優輝のお兄さんだっていうの……?


でも優輝は兄弟はいないって言ってた。



頭の中が混乱して、思考がうまく働かない。



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