純恋〜スミレ〜【完】
「5年前、優輝のお兄さんはこの場所で女の子を助けて亡くなった。その女の子って、あなたでしょ?違う?」


麗華さんは、全てを知っているんだ……。


体中から血の気が引いていくような感覚。


何か言いたいのに、言葉が喉の奥でつかえているみたい。


全身がガクガクと震えて、立っていることもままならない状況。



その時、ふと蘇った5年前の記憶。


大きな手の平であたしの背中を押したお兄さん。


あのお兄さんは……本当に優輝のお兄さんなの……?

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