純恋〜スミレ〜【完】
この間、優輝から届いたメールを思い返す。
――――――
今、純恋との想い出の場所にいる。
ここに来れば、純恋に会える気がして。
いるはずないって分かってんのに、バカだよな。
でも、どうしようもなく会いたいんだ。
俺、純恋に会いたくて仕方ない……。
――――――
ねぇ、優輝。
不思議だよね。
確信はないけれど、今、優輝があたしを呼んでいる気がするんだ。
あの公園で、あのベンチに座って……――。
「……――あたし、ちょっと出掛けてくるから」
「えっ!?今から!?」
「うん」
「やめときなよ~。外、すごい雨だよ?」
「大丈夫」
「後でにしなよぉ~!!」
「今じゃなきゃダメなの!」
あたしは引き止める叶恋を振り切って、玄関を飛び出した。