純恋〜スミレ〜【完】
「……フフフッ。お姉ちゃん、これ見て~?」
学校に行く途中、叶恋は携帯のディスプレイをあたしの鼻先に押し付けた。
「なによ」
「ちょっと見てよ~。ヒロからのメール。叶恋、大好き!!だって。ヤバくない!?」
「昨日まであんなに『ヒロと別れる~』って言ってたくせに」
「昨日は昨日、今日は今日。別れるって言ったのは口だけだもん」
「得意げに言ってんじゃないわよ」
「フフッ。昨日は話聞いてくれてありがとねっ!!叶恋のお姉ちゃんが純恋でよかったぁ~」
「調子いいんだから」
「てかさ、お姉ちゃんはどうなの?彼氏さんと」
「え?」
叶恋は興味津々といった様子であたしの顔を覗き込む。