純恋〜スミレ〜【完】
「苦しそう……」


大悟君が帰宅してから、あたしはただぼんやりと優輝の寝顔を眺めた。


額に汗をかいて苦しそうな優輝。


あたしのせいだ。


あたしが優輝からの連絡を無視したばかりにこんなことになったんだ。



どれだけ優輝を苦しめれば気が済むの?


今までどれだけ優輝を苦しめた?


あたしは溢れる涙を拭うことも忘れて、優輝の熱い手の平を握り締めた。



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