純恋〜スミレ〜【完】

「5年前のあの事故のこと、全部話すから」


シーンっと静まり返った部屋に響く優輝の声。


5年前のあの事故のことは、出来れば振り返りたくない。


あの事故にいい思い出はないから。


でも、ここで立ち止まっていたら前には進めない。


もう来るところまで来てしまった。


優輝と向き合う為には、あの事故にも向き合わなければならない。



「うん」


あたしは勇気を出して、力強く頷いた。


< 330 / 487 >

この作品をシェア

pagetop