純恋〜スミレ〜【完】
―――………
「……ずっと連絡無視してて、ごめんね」
「もういいから」
あたしはベッドの中で優輝の胸に顔を埋めながら謝った。
また熱が上がってきたのかもしれない。
体が熱い。
一晩中雨に打たれていた優輝。
きっと体力も消耗しているだろう。
「あたし、そろそろ帰るよ。優輝はゆっくり寝てて?必要なものがあったら買ってくるよ?」
「純恋」
ベッドから起き上がろうとするあたしの腕を、優輝はグイッと引っ張る。
「もう少しだけここにいろよ」
「……え?」
「このまま帰したら、また会えなくなるような気がする。純恋が戻ってこない気がする」
「大丈夫だよ。もう優輝から離れないから」
「まぁな。つーか、離せっていわれてももう離さないし」
優輝はそう言うと、あたしの頭をガシガシと撫でた。