純恋〜スミレ〜【完】
隣町にある古ぼけたスケートリンク。


スケートリンクができたばかりの頃、一度だけ家族で遊びに行ったことがある。


でも最近ではあまりお客が入らず、今年いっぱいで閉鎖することになっていた。


「潰れる前に一回行ってみるか」


そんな優輝の提案で久しぶりにスケートを楽しんだ……のはいいけれど、慣れないスケートは思った以上に体力を消耗して。


スケートを終えた頃には全身が鉛のように重たく、足は筋肉痛になっていた。



「ベッドに横になったかと思ったら、数十秒後には寝てたから」


「ごめんね。ていうか……もう20時だ……」


優輝の家にやってきたのは、17時過ぎ。


3時間近く死んだように眠っていたみたい。


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