純恋〜スミレ〜【完】
放課後、特に予定のなかったあたしはナナと街に繰り出した。
駅前のファーストフード店に入って、頼んだポテトとジュースで2時間は余裕。
油でベタベタするテーブルに肘を突いて周りを見渡すと、カップルばかりが目に付いた。
「ねぇ、純恋。ぶっちゃけさ、あたしアンタの彼氏のことよく思ってなかったんだよね」
「どうしたの、急に」
ポテトをモゴモゴと口に含みながらしゃべるナナ。
「ていうかさ、出会いってあのクラブじゃん?あたしあの後何度もあのクラブ行ったけど、アンタの彼氏いつも違う女と楽しそうに踊ってたよ?」
「ふぅん」
ナナの言葉は針のよう。
胸にチクチクと突き刺さる。