純恋〜スミレ〜【完】
だってさ、これが最後かもしれないから。


優輝に手料理を振る舞えるのが。


もし今日で最後だとしたら、あたし絶対に後悔する。


やっぱりあの時、カツカレーにしてあげたらよかったな、とか。


やっぱりあの時、市販のものじゃなく手作りしてあげればよかったな、とか。



明日は必ずやってくるって思ってた。


嫌なことは後回しにして、気付いていたのに目をつぶってた。


だけど、きっとそうじゃない。


明日は誰にも約束などされていない。




だから、この瞬間を……――


あたしはもっと大切にしたい。
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