純恋〜スミレ〜【完】
「……――すっげぇうまい!!純恋って意外に料理できるんだな」


「意外っていう言葉は余計だけどね」


「イジケんなって。褒めてんだから」


誰かのことを想って作った料理は今日が初めてだった。


「うまい!!」と笑顔を零しながらカレーを頬張る優輝。


その笑顔を見れただけで、心が満たされる。


「お兄さんにもカレー食べてもらってくるね」


「純恋が食べ終わってからでいいって」


「ううん、出来立てを食べてほしいから」


引き止める優輝に笑い掛けて、小さなお皿に盛ったカレーを別室に運ぶ。

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