純恋〜スミレ〜【完】
「お姉ちゃ~ん!!今日、大悟先輩と遊ぶ約束したんだけど、どんな服装がいいと思う!?髪は巻いた方がいいかな?それともストレート!?」
真っ直ぐ家に帰ると、二階からバタバタとうるさい足音を立てながら叶恋が下りてきた。
叶恋の手には、数着の洋服が握られていて。
そのどれもが系統がバラバラで、コーディネートしずらい服だった。
「ったく、もう。しょうがないなぁ。あたしの服、貸してあげる」
「えぇ!?本当に~!?」
「髪型も服装に合わせてあげるから」
「マジで~!?超助かるんだけど!!ていうか、お姉ちゃん……今日、やけに優しくない?なんかいいことあった?」
叶恋は目をキラキラと輝かせながら階段を登るあたしの後ろについてくる。