純恋〜スミレ〜【完】
「メリークリスマース!!」
叶恋の掛け声を合図に、グラスがぶつかりあう音が部屋に響き渡る。
お父さん、お母さん、あたし、そして叶恋。
目の前には、ケーキやピザ、それにお母さん特製のビーフシチューや手の凝った料理の数々。
そして、あたしと叶恋の大好物のポテトサラダ。
昔、叶恋とどちらが多く食べたかで喧嘩になったことがある。
ポテトサラダを口に含んだ途端、その当時を思い出して懐かしさが胸に込み上げてきた。
「ポテトサラダ超美味しい!!そういえば昔、お姉ちゃんとポテトサラダのことで喧嘩したよね~?」
「純恋と叶恋は昔からポテトサラダの味にはうるさかったからなぁ。でもまあ、お母さんの作るポテトサラダがうますぎるせいだな」
「お父さんったら。褒めても何も出てきませんよ?」
幸せそうな笑い声で溢れる部屋。