純恋〜スミレ〜【完】
ああ、ダメ。なんなのこれ。
目に浮かぶ涙を乾かせようと瞬きをせずに必死で目を開く。
何とかポテトサラダを飲み込んだとき、叶恋があたしの異変に気が付いた。
「……――お姉ちゃん?何で泣いてんの……?」
叶恋の言葉に、お父さんとお母さんの視線があたしに注がれる。
「純恋?どうした?どこか痛いのか……?」
「何か悲しい事でもあったの?」
「……――ちがっ……」
あたしは首を左右に振って否定した。