純恋〜スミレ〜【完】
歩行者用信号が赤から青に変わる。
あたしをその場に残し、周りの歩行者が一斉に歩き出す。
「……――優輝?」
その時、あたしは横断歩道の向こう側にいる優輝の姿を見つけた。
グッと込み上げる感情。
横断歩道を行きかう人の群れの中にいるあたしを優輝はすぐに見つけてくれた。
ホッとしたような、それでいてどこか不安そうな。
そんな表情を浮かべた後、ゆっくりとこちらに向かって歩みを進める優輝。
あたしもまた同じように、優輝に歩みを進める。
一歩、また一歩と近くなる距離。
優輝以外のすべての通行人が色あせてしまう。
優輝しか目に入らない。
あたしをその場に残し、周りの歩行者が一斉に歩き出す。
「……――優輝?」
その時、あたしは横断歩道の向こう側にいる優輝の姿を見つけた。
グッと込み上げる感情。
横断歩道を行きかう人の群れの中にいるあたしを優輝はすぐに見つけてくれた。
ホッとしたような、それでいてどこか不安そうな。
そんな表情を浮かべた後、ゆっくりとこちらに向かって歩みを進める優輝。
あたしもまた同じように、優輝に歩みを進める。
一歩、また一歩と近くなる距離。
優輝以外のすべての通行人が色あせてしまう。
優輝しか目に入らない。