純恋〜スミレ〜【完】
「純恋……もう泣くなよ」
優輝はそっとあたしの頬から手を離す。
その途端、優輝のぬくもりが頬からスッと消えた。
太陽みたいな笑顔が好き。
猫っ毛でサラサラの髪が好き。
大きくて広い背中が好き。
長くてしなやかなのに、それでいてどこか男らしい指が好き。
『純恋』ってあたしの名前を呼ぶ声が好き。
あたしを抱き締める力強い腕が好き。
意地悪なことを言う反面、その裏にある優しさが好き。
優輝が好き。大好き。