純恋〜スミレ〜【完】
ねぇ、お兄さん。空の上から見ていてね。
あたしの勇気を。
だから、お願い。
優輝だけは必ず助けてください……――。
「……――優輝、今までありがとう。あたし、幸せだったよ……」
車のヘッドライトが迫ってくる。
大丈夫。できる。
絶対に、できるから。
あたしは思いっきり息を吸い込むと、優輝の胸を押して突き飛ばそうとした。
だけど、それよりも先に、優輝があたしの腕を掴んだ。
あたしの勇気を。
だから、お願い。
優輝だけは必ず助けてください……――。
「……――優輝、今までありがとう。あたし、幸せだったよ……」
車のヘッドライトが迫ってくる。
大丈夫。できる。
絶対に、できるから。
あたしは思いっきり息を吸い込むと、優輝の胸を押して突き飛ばそうとした。
だけど、それよりも先に、優輝があたしの腕を掴んだ。