純恋〜スミレ〜【完】
【 Dear 叶恋 】
あたしね、叶恋がずっと羨ましかった。
だってあたしにはない物をたくさんもっているから。
泣き虫で甘えん坊だけど、素直で明るくて……
あたしにとってアンタは太陽のような存在だった。
眩しすぎて、たまに嫌味を言ったりもしたね。
ごめん、叶恋。
あたし、アンタも知っての通り意地っ張りだから。
それとね、あたしは叶恋が思っているほど器用じゃないんだよ。
何でも器用にこなしているように見えるかもしれないけど、全然そんなことない。
今まで、不器用なのを必死で隠して生きてきたの。
弱いところを人に見せるのが怖くて。
だけど、アンタを見てて気付いたよ。
人に弱いところを見せるのが、本当の弱さなんかじゃないって。
ねぇ、叶恋。
叶恋はあたしの自慢の妹だよ。
胸を張ってそう言い切れる。
これから先も、
ずっとずっと、太陽のように笑っていてね。
叶恋のお姉ちゃんになれて、あたしは本当に幸せでした。
【 From 純恋 】