純恋〜スミレ〜【完】
最終章

純恋

―――………


「……――れちゃん……」


誰かがあたしの名前を呼んでいる気がする。


薄ら目を開けると、視界がグニャリと歪む。


「……――みれちゃん……」


やっぱり、そうだ。


気のせいなんかじゃない。


視界がハッキリせず、声のする方向に必死で手を伸ばす。


だけど、その手は宙を舞う。
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