純恋〜スミレ〜【完】
「純恋ちゃん」
今度はハッキリと声が聞こえた。
「あなたは……誰……?どこにいるの……!?」
「……――純恋ちゃん、僕の代わりに優輝を頼むよ」
「えっ……?」
僕の代わり……?それって、まさか……――!!
「……――お兄さん?お兄さんなんでしょ!?」
ここは一体どこなの?
もしかして、天国……?
目を開けているはずなのに、視界がハッキリしない。
まるで体がフワフワと浮いているような不思議な感覚。
「僕の役目はもう終わったから。あとは二人で……――」
「お兄さん!?どこにいるの!?」
どんなに叫んでも手を伸ばしても、後一歩のところでお兄さんに届かない。