純恋〜スミレ〜【完】

「優輝って遊び人でしょ?」


「……ハァ?なんで?」


「初対面の女の子を家まで送るとか言い出すなんて……。普通の女の子なら、下心あると思って警戒するよ?」


「へぇ。純恋は俺のこと下心丸出しの遊び人って思ってるわけだ」


「別にそんなこと言ってないけどさ」


まぁ、半分はそう思ってるけど。


だってそうでしょ?


親切心で見知らぬ女の子を家まで送ってくれる紳士的な男なんてそうそういない。


心のどこかに下心を隠しているはずだもん。


だけど……不思議。


それを分かっていながら、優輝に送っていってもらおうとしているなんて。




「ねぇ、優輝って彼女いるの?」


電灯の少ない住宅街を歩きながら、優輝に買ってもらったオレンジジュースを口に含む。


「いたら純恋とこんな時間に二人っきりでいねぇよ」


「ふぅん。モテそうなのに意外だね?」


「別にモテねぇよ」


優輝は否定したけど、モテないはずがない。


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