純恋〜スミレ〜【完】
だって、ルックスは満点だもん。


背も高いし、顔も整ってるし、制服をうまく着こなしてセンスもいいし。


性格だってきっと悪くない。


優輝はモテる男オーラ全開だ。


ぼんやりとそんなことを考えていると、優輝は制服のポケットから取り出した煙草を口にくわえた。


暗闇に響き渡るカチッカチッというライターの音。


オレンジ色の火が風に吹かれて青色に変わる。


「チッ」


優輝が舌打ちした時、空から落ちてきた雨粒が頬にぶつかった。


「雨……降ってきたね」


「だな」


優輝は空を恨めしげに見上げると、取り出したばかりのタバコをポケットに押し込んだ。



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