純恋〜スミレ〜【完】
「おい、大丈夫か?」
力なくうつむくあたしの顔を優輝が心配そうに覗き込む。
あたしは黙ったまま小さく頷いた。
本当は全然大丈夫なんかじゃない。
だけど、『大丈夫?』って聞かれると、大丈夫じゃないの頷いちゃう。
……――助けて。
助けてよ。
本当はね、心が壊れてしまいそうなんだ。
だけど、心が悲鳴を上げているなんて誰にも知られたくない。
弱い部分を誰かに見せるのは苦手。
だってそれは、とても勇気のいることだって知っているから。