純恋〜スミレ〜【完】
「……もう、嫌」
そう口にした瞬間、目頭が熱くなって胸に熱いものが込み上げてきて。
全部、全部、もうホントに嫌だ。
「一人で色んなもん溜め込むなって」
優輝はそう言うと、あたしの体を優しく包み込んでくれた。
このまま、雨が洗い流してくれればいいのに。
あたしのちっぽけなプライドも、意地も、弱さも、
自転車に乗った幸せそうなカップルを羨むあたしも、
未だに達也のことを考えてしまうバカなあたしも、
達也の本命のピンクベージュの女に嫉妬してしまうあたしも、
あたしの汚い部分を全部全部、洗い流してよ。