純恋〜スミレ〜【完】
「ミナにいわせると、いい人だけど退屈なんだってさ。新鮮味を感じないって」


「そりゃ、1年の時から付きあってれば新鮮味なんていくらかは薄れるでしょ!?」


「まぁまぁ、俺にキレるなって」


「あ~……、ごめん。だけど、なんか納得できなくて」


「ちょっと前からミナが俺に冷めてたのにも気付いてたし、別れようって言われるのも時間の問題かなって思ってたんだ。でも、やっぱりいざそういう状況になるとキツイわ」


苦笑いを浮かべた山城君。


辛い時にあえて辛くない風を装って笑う時の心境を、あたしは誰よりも知っている。


もう何十回、何百回とあたし自身がそうしてきたから。


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