純恋〜スミレ〜【完】
「その男の子ってどんな感じの人だっけ?」
「どんな感じって……見た目?それとも性格?」
「見た目」
「背が高くて細身で……髪の毛は茶色で襟足がちょっと長くて……センスのいいピアスしてて……。あと……」
すごくすごく、温かい人。
抱きしめられたあの時、優輝の体温が本当に心地良かった。
「ふ~ん。なんか、校門辺りに女が群がってんだけど。輪の真ん中にいるのが、その男?」
「……え?」
女が群がってる!?
ビューラ―をバンッと机に叩きつけて慌てて立ちあがって窓の外を見る。