純恋〜スミレ〜【完】
「さっき校門で女の子達に囲まれてたでしょ?何か言われたの?」
駅方面に歩きながらさりげなく尋ねると、優輝は苦笑いを浮かべた。
「誰待ってるんですか~とか、よかったらアド交換しませんか~とか。そんなとこ」
「ふぅん……」
本当は気になるくせに、
『別に気になるわけじゃないけど』
って顔をして聞くあたしは、ホント可愛くない。
「優輝、モテモテじゃん。女の子選び放題だね~」
冗談混じりに言うと、優輝は何故か口の端をクイッと上に持ち上げた。