キスチョコ【短編】
嬉しそうに少し顔を赤くするリサちゃんがあたしは本当に可愛かった。女のあたしでもリサちゃんはなんとなく守ってあげたくなる。
そんなリサちゃんにウレシイ、とか言われてあたしもなんだかいい気分だった。
ナルに呼び出しの電話をする。

ナルは少しスキップをするような歩調でウチらがいたダイニングバーへとやってきた。



分かりやすいヤツ…



もちろんリサちゃんの隣にナルを座らせた。
ホールの飲み会に唯一キッチンのナルが来たことに勘のいいヤツがさっそく気付いてあたし達を冷やかしにかかる。



「グミ、おまえいくらベロベロになるまで飲みたいからってナル呼び出しとか何様だよー」


「ナルもナルで来るしー」


「うっさい。ナルはあたしの為に来たんじゃないの!リサちゃんの為にいそいそきやがったんです、こいつ。すぐにフラれるのにバカなんです」





< 12 / 44 >

この作品をシェア

pagetop